
@国立新美術館
一般1000円 所要時間…普通のペースなら60分くらいかな…。
来 た よ
とりあえず さわひらき さんの新作「Hako」ですよ。
面白かった!期待してましたが期待を上回ってました。
さわさんゾーンで1時間以上 居座って凝視していた迷惑野郎は私です。
でもそれだけの価値があると思うのですよ。
「Hako」は、ほぼ真っ暗の展示室内に、タテ150cm×横270cmの6台のスクリーンが配置され、プロジェクターで映像が投影されています。映像は12分間。6台は同時並行してそれぞれ別の映像が映し出され、各々タイトルがつけられています。
「the birds and the sea」
青味を帯びた海、渦巻く白い波間に沢山の鳥が羽ばたいている場面が延々と繰り返されます。波飛沫や鳥の動きなどは劇的な要素をもっているのですが、音が消され、動きはスローモーション化されています。
いつまでも終わりなく繰り返されるイメージは、記憶の断片を再生してるみたいな感じでした。
「moss」
深い茶色と濃い緑、鬱蒼とした林、古い神社など、静かで動きの無い映像が断片的に続きます。地面に近い低い視点からの角度や、ドラマチックな陰影など、湿気を帯びた濃密な空気。最初間近に寄りすぎて見てたせいか、何が映っているのかわからないところもあったりしましたが、カタログの解説をみたらどうも伊勢神宮らしいです。
「talking to the wall」
古い木造家屋の、薄暗く誰もいない室内が、いくつか場面転換しながら映し出されます。薄暗い室内を照らす電灯の光は微かに揺らぎ、時折みえる開口部の奥には浜辺が見え、白い壁に映し出された影絵が密かに動き、海水が一室に浸水してくる。
終始謎めいた雰囲気に満ちていて、一番気になったのはこれです。他の人もみんな立ち止まって見てました。
いつの間にやら白い壁に映し出されている影絵は、昔の西洋の挿絵みたいな感じです。よくよく見ると人物が歩いていたりして、この辺は「trail」を思い出すような。やがて影絵の画面がゆっくりとスクロールし、少し進んだ後また逆回りに戻っていく。電灯は揺れながらどんどん位置が下がってきています。後半に出てくる3本の電灯は、やはりじわじわ下がってきたり逆に上がっていたりする。そして謎の浸水。誰もいない廊下の奥の窓。
どことなく「ハリス・バーディックの謎」(C・V・オールズバーグ)と「ウェスト・ウィング」(エドワード・ゴーリー)を連想しました…(ゴーリーほどは怖くない)
「for a moment」
夕闇の港でしょうか。穏やかな海や街のシルエット、観覧車のゆっくりと回転する動き、横切っていく船、大きく拡大された満月、遠景で打ち上がる花火。美しく、少し儚さのある映像が場面転換しながらが緩やかに流れています。観覧車やら満月やら花火やらのあたりは、これまでの作品に近い雰囲気があるなあと思いました。
「kaerimichi」
モノクロームで、周囲がぼんやりとフレームがかった画面。これも海辺ですが、灯台や桟橋などの人工的な構築物と、生い茂っていく草木や荒れる海などの生命力のある自然との対比が印象的です。最後の方に突如現れる「かえり道」(←日本語)の看板に、妙に現実に引き戻されるような感覚。画面が気づかないくらいじんわりと変化したりして、茂木先生のアハ体験みたいでした。
「fragments」
画面中央にアンティークな振り子時計が大きく映され、ひたすら時を刻んでいます。展示室内の映像では一番速い動きをしているのがこの時計の振り子。針は時間経過とともに、当初の位置から少しずつ進んでいます。実はこの作品だけは通しでちゃんと見なかったのですが、現実の時間進行と合ってるんだろうか…とか思いながら、気になってちらちら見てました。どうだったんでしょう。
・・・1つずつ見ても面白いですが、展示室奥のイス中央部を陣取ると、主立ったところが一度に見渡せます。私はこの位置でしばらく見てましたが、明確な繋がりではないけれど、6つの映像全体がどことなく干渉し合っているような感じがしました。
それぞれ通しで見て、かつ全体が一度に視界に入る位置から1回見る…のがいいですが、単純計算で1時間24分かかるよ…
作品にはBGMがついていて、オルゴールみたいな音楽だったり波の轟く音のようになったり、映像の進行とともに変幻しています。
せっかくなんで図録も買いました。
↓表紙と裏表紙


作家ごとの薄い冊子8冊強制セットで1600円でしたけど。
帰りはしばらく余韻に浸っていたので、以前オオタファインアーツの個展で買った さわさんのBGMを聴きながらかえりました。
って他の方のこと書いてない。
(ごめんなさい)